一夜限


いちやかぎり [ ごあいさつ - 月見のうんちく - 俳句のうんちく ]  

  【日時】
2005年9月19日
18:00〜

【場所】
有栖川公園
宮熾仁親王銅像前広場


日比谷線広尾駅
1出口から徒歩5分
[ → 地図 ]

【お持ち頂きたい物】
・筆ペン
・さかずき
・自分用のお敷物

※お酒と短冊はこちらでご用意

【会費】
1000円
(おつまみ/ドリンク付)

【二次会について】
20:30より
KOTOBUKI DINER
2出口から徒歩2分
[ → 地図 ]

  先達を敬うハッピーなマンデーに、一夜限りのお月見を。
ほつと月がある東京で、スーパースクール筆初め。
みなさま、お集まりいただきありがとうございました。

お月見は旧暦の8月15日に月を鑑賞する行事で、
この日の月は「中秋の名月」「十五夜」「芋名月」と呼ばれ、
明くる十六夜は、ためらいがちの「いざよい」と申すようです。

つきとは、luck のツキであり、
大和言葉では「つく」(つくる)行為をもたらすもの、
坏(つき)とすれば、古代の飲食物のための器で、
杯(さかずき)にもつながる、そんな【つき】。

月の面が光を思いっきり浴びるとき、
その裏では暗がりの中、来るべき光を待ち続ける。

陰極まって陽。
陽極まって陰。

今宵はお手持ちの杯に、逆さの月でも浮かべて、
有栖川公園を吟行しながら、一句ご披講と参りましょう。

かの一夜 変わらぬつきを 今日もみむ



<連衆の心を動かした作品集>
一、何といおうと 月の光が 強すぎる
ニ、妄想狂 赤い花園 月はまだみず - G
三、暗がりに 犬のじゃれあう 無月かな
四、宝山や 南麻布の 森に月
五、鈴の声 恋焦がれるは 今日の月
六、お団子が 早く食べたい 月よりも
七、月明かり 照らされし肌 君が月
八、高い犬 富裕の街に 金でなき求め
九、やわらかな ノドごしと共に ツキを待つ
一〇、いないいないばあ ありすのぱーてぃ 月とかくれんぼ - G
一一、昨日の夜は見ていた 月を坂の上で
一二、秋空に 愛しき君を つかまえに
一三、月無くも 人集まりて 酔いどれリ
一四、街灯に 薄く影伸びる 無月かな
一五、満月は わしがくったと 鬼わらふ - G
一六、また仕事 憂うつでもない 二十五の月見
一七、さかづきは、さかもの月と 思いしが。
一八、ふぞろひの 盃ありて 無月かな
一九、この宴 楽しく月は 雲の上
二〇、満月の 影ふみふみて 家路へと
二一、おそいつき はやせまつうら ならお先に - G
二二、秋の声 誘われるまま 迷い道
二三、汗だくの 小切手にぎりしめる夜
二四、ツキがなく つうし気分で 涙する
二五、月を見る こともなくなり 幾歳月
二六、月面生活の 快楽ニヒルや ゆめまぼろしか - G
二七、コオロギを よく見てみたら ゴキブリでした。
二八、かねまつや 月につまづく 何をまつ - G
二九、我が空に 出るまで食らおう 月見酒
三〇、満月に 女人苦悩の うたげあり - G
三一、午前四時 窓から沈む 月をふたり占め
三二、月宴 白眼視を 肴にし
三三、どこにいるの 秋風はこべ この空に
三四、夕暮れの 雲のオレンジ 空の青
三五、つむぎやの たこさびしいよ 月かえれる? - G
三六、一夜限に 今言霊 綴らん
三七、蚊にさされて かきむしるのが 快感
四〇、まんげつも 神無でむいて しおもみに
四一、つぎつぎと つきのうた つきぬよる
四二、わたしなんて ちぢ乱れ散れ 月割れろ - G
四三、月明かりなくて 見えないから見える
四四、酔い 宵 良い
四五、タコメシを 夜空に投げて ウザギ釣り
四六、ルフトフルーグ うさぎとらえて 空をこえ
四七、夜店の 金魚白みて 夏は終わりぬ
四八、おぼろ月 照らす男女の エトセトラ
四九、月を見ぬ ものぐさ達が 月を詠む
五〇、いざよいや 一夜限りに いざ 酔わん
五一、一番月 集まる人の輪 地上の鏡
五二、無人都市にて 見る月は 赤いか - G
五三、公園の月の宵 夢遊病者に なりたや - G
五四、恋をする病に 月ふくみ笑ひ - G
五五、一夜限の ホームページ かっこよくね?

 


月見のうんちく [ ごあいさつ - 月見のうんちく - 俳句のうんちく ]  
  なんでお団子?   一般的に十五夜には、すすきを花瓶にさして、団子と里芋や梨など、その時期の成り物を供えて、感謝の気持ちを表します。 関西から中国地方にかけては、里芋を供えることから「芋名月」ともいい、もともとは芋類の収穫祭、すなわち畑作儀礼だったと考えられています。 このような月見の習慣は、中国では唐の時代からあり、これが日本に伝来しました。 そして、畑作物の収獲に関連する行事へと発展し、現在に至るまで長い間伝承されてきたのです。

 
  「中秋」か、「仲秋」か   諸橋轍次著『大漢和辞典』によると、
【中秋】 (1)秋を三分したなかの秋。仲秋。 (2)秋のまんなか。陰暦八月十五日。
【仲秋】 秋三箇月の中の月。即ち陰暦八月。中商。なかのあき。八月十五日を指す中秋は、これとは別の語。
とあり、お月見の日(旧8月15日)に見える月の場合は「中秋の名月」と書くほうがいいわけです。

 
  雨月/無月って?   名月は一年に一度の夜だけです。しかし、十五夜に空が必ず晴れてくれるとは限りません。十五夜の名月が雲にかくれてみえないことを「無月(むげつ)」といい雨のために見えない場合を特に「雨月」(雨の月・月の雨)として惜しみんできました。名月が見えない時でも、そのようななどの言葉があるのは、それだけ日本人は月を愛する民族だと言えるでしょう。

 
  添えられたススキの行方   ごみ箱に直行させない風習が、今でも一部に残っています。お月見が終わった後、ススキは庭に挿したり、小屋、門口、水田に挿したりすることで、ススキが悪霊や魔除けになるという信じられています。

 
  15夜をしたら13夜も   日本では8月15日だけでなく9月13日にも月見をする風習があり、こちらは「十三夜」、「後の月」、「栗名月」とも呼ばれています。十三夜には、月見団子の他に栗や枝豆をお供えします。各地には「十五夜をしたなら、必ず十三夜もしなければいけない」という言葉が伝えられており、片方だけの月見を嫌う風習があったようです。十三夜の風習は中国にはなく、日本独自のものです。

 
  誰でも作れる月見そば   温かい美味が欲しい。 そんなときに、ちゃちゃっとできる蕎麦メニューがあるとポイント高いですよね。 月見そばなんて、どうでしょう。 以下の手順で、簡単に本格的な一杯がこしらえられます。

【月見そばの作りかた】
□丼に張るおつゆを、小さな片手鍋であたためます
□蕎麦を茹でます(あるいは湯通ししておきます)
□あらかじめ予熱しておいた空の丼に蕎麦を移します
□蕎麦の上に、のりを敷きます
□そこに玉子を割ってのせます
□熱々のおつゆを張ります。

以上 これなら、簡単だと思います。
 


俳句のうんちく [ ごあいさつ - 月見のうんちく - 俳句のうんちく ]  
  俳句用語集   【吟行】
俳句を作るために実景を見に、季題と出会うため外へ出て行くこと。

【披講】
俳句会席上・メディアで選句された俳句を読み上げ発表すること。

【連衆】
運座などの会に参加する人々のこと。

 
  俳句は「うた」である   十七文字にまとめてみたあと、口の中で、その俳句を言ってみるのです。五・七・五の快い調子のひびきが伝わってくるでしょうか。俳句も厳密に言えば、一つの「うた」なのです。音楽と同じように、間(ま)というものが大切になってきます。調子が悪ければ上下、色々、置き換えてみることもやってみましょう。その間には、いらない言葉、また入れたい言葉などが出てきて、だんだん自分の言いたい心持ちが相手に伝わるかどうかということもわかってくるのです。

 
  月にまつわる名句   (松尾芭蕉)
名月はふたつ過ぎても瀬田の月
名月や池をめぐりて夜もすがら
名月や座にうつくしき顔もなし
名月や児立ち並ぶ堂の縁
名月や門にさしくる潮がしら
名月や北国日和定めなき

ほつと月がある東京に来てゐる (種田山頭火)
名月や洗ひ伏せたる日々のもの(松村紅花)
すらすらと昇りて望の月ぞ照る(日野草城)
十五夜に扉を放ちある大伽藍(河合佳代子)
名月や杉に更けたる東大寺(夏目漱石)
砂風呂に名月高くのぼりけり(磯野充伯)
壷に挿すくさぐさ長き良夜かな(新明紫明)
菩提寺を手ぶらであるく良夜かな(松本たかし)
笛の音の美しかりし無月かな(高野素十)
足もとに杉の闇くる雨月かな(竜口幸子)

注:
良夜ー名月の夜のこと
無月ー曇って折角の名月が見えないこと。
雨月ー雨のためあいにく名月がみれないこと。
 
  [ ごあいさつ - 月見のうんちく - 俳句のうんちく ]