人間の、ほかのどの生き物とも違う儚い営みは、記憶を残そうということかもしれない。
強烈に心を打つ美しい何かに呼応して、どうしようもなく何かを残そうということ。
例えば自然。その美を再現すべく人が表現しようとしたそれは、
グラフィカルにもアンビエントにも、宇宙的な表情を奇跡的に帯びることもあるのだ。
青山二郎の眼に残ったさまざまな名品が、何だか宇宙に見えた。大地に見えた。空に見えた。
だれかのどこかの季節が、景色が、そこに詰まっていた。
魂があった。それは一目瞭然であった。
人生最初の「モノとの果し合い」は、モノの圧勝ながらも、
然るときに追いつくべき大いなる到達点が、遠くに見えたのだった。