最新号のMASSAGEの興味深い2つのアーティクルがリンクした。
まずは、グラフィティに関する記事。タグネームMooseというヨークシャーのグラフィティアーティストによるXboxのストリート・コマーシャルはいたってシンプル、ステンシルで「汚れを落とす」ことだ。この愛すべき逆転の発想によって、グラフィティやちらし、ポスターであふれた雑多な街に、くっきり忽然とロゴマークが浮き上がる。記事の中で興味深いのは、このキレイにするという手法が、リーズ市議会から「バンダリズム」と罵られ、スポンサーであるスミノフがそのキャンペーンをやめたというところ。この点、日本の自治体はどう解釈するのだろうか。
そして2個目は、フランスで広がっているという『反広告ムーブメント』の記事。Les anti-pub(レ・ゾンティ・ピュブ)と呼ばれるその活動は、単に広告に×というシンボリックなマークを書き加えたり、パイオニアでありカリスマであるAdbusters的カルチャージャムの手法、すなわちアイロニーを交えたクリエイティブな表現によって、商業的メッセージを歪め、社会的権利としての表現の場が増えることを訴える。果たしてこちらも地下鉄会社が訴えた裁判沙汰となり、こちらの結論は、罰金が課せられたものの、8号線パリ郊外のLIBERTE駅(つまり、「自由」駅)、CHARENTON駅の2駅で一定期間、「公共空間の表現と自由」を認め、白いボードのみ用意されたようだ。この判決は、ストリートというメディアが誰のものかを想起させる、画期的な出来事である。
ストリートはもともと雑多なメッセージによって覆われている。結局、多層のレイヤーで街は汚れている。メディアの合法性が問われながら、街づくりやコミュニケーションはこうやって、次々とクリエイティブな「いたちごっこ」を繰り広げていくのだろう。これがストリート・アズ・メディアの真髄なのかもしれない。
Posted by YOSH | TrackBack