有の以て利を為すは、無の以て用を為せばなり - 老子
三十本の輻が、車輪の中心に集まる。その何もない空間に車輪の有用性がある。粘土をこねて、容器をつくる。その何もない空間に容器の有用性がある。戸口や窓の穴をあけて、家をつくる。その何もない空間に家の有用性がある。こうして、何かがあることからもちろん利益を受ける。だか実は、何もないことの有用性が根本には在るのである。『
老子
』第十一章、小川環樹訳注、p30、中公文庫
→空虚にこそ価値が宿る。老子を師と仰いだ岡倉天心の「茶」の心から、フランク・ロイド・ライトに衝撃せしめた空虚の系譜。実体と有用性を切り離した、行為を誘発する空間としての空虚。青山ブックセンターの店員が「老子はデザインだよ」と言った理由が少しわかった気がする。
Posted by YOSH
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