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2004 年 7 月 15 日
LETTER [啓蒙する名言]
市としての意志 - 中田宏
市の役割とは、国、市、民間企業、アーティスト、市民などのそれぞれの立場の人々をつなぎ合わせ、いかにコーディネートしてゆくかということだと考えます。市としての意志を明確にし、これに適した枠組みをつくること、また具体的な個々の事業は市がコントロールしすぎることなく、民間の人たちにアイデアを提案いただくことが重要です。過剰に豪華な施設を用意することではなく、最低限の空間とチャンスが得られる場を用意し、あとは使う人たちが工夫すればよい。
中田宏 横浜市市長、AXIS、109号、P63

→クリエイティブな多元な軸で、東京とは違うオルタナティブな横浜の街づくり。「文化芸術創造都市構想」を推進する横浜市で強力なリーダーシップを発揮する中田市長の言葉から、現代的なリーダーのセンスのよさが読みとれる。リーダーはコミットしたくなる場を用意することが一番大切なのだろう。

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2004 年 7 月 13 日
LETTER [啓蒙する名言]
『旅』とは知恵である - アダム・グリックマン
本や新聞を読んでいるだけでは、本当にこの世界で起こっている事は決して分かりはしない。この地球に溢れんばかりの数の人間が住み、生活していて、いろんな事を考えたり、働いたり、料理したり、悪い事をしたり、ダラダラしたり、何かに不満を漏らしたり。そこにはありとあらゆる種類の出来事が起こっている。それは一人の人間が学び取るには到底大きすぎるし、例え学べたとしても、実際に体験する事に勝るものではない。『旅』とは知恵なのである。
アダム・グリックマン/TOKIONクリエイティヴ・ディレクター、TOKION、No.42、P6

→最近東京に「生活」しているのか、ここで「旅」をしているのか、区別が付かない。ストリートでのハプニングによるリアルな体験が、毎日違う街の色を教えてくれる。トラベル・ネイバーフッド。つまりは、人生自体が旅であり、知恵であり、富なのかも。

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2004 年 7 月 6 日
LETTER [啓蒙する名言]
非営利機関の製品は「変革された人間」である - P・F・ドラッカー

『非営利』機関は、財やサービスを供給することもなく、統制することもない。その『製品』は、一足の靴ではなく、効果的な規制でもない。その『製品』は、『変革された人間』である。つまり、非営利機関は、人間変革機関である。その『製品』は、治癒した患者、学ぶ子供、自尊心を持った成人となる若い男女、すなわち、変革された人間の人生そのものである。
非営利組織の経営』P・F・ドラッカー佐藤信夫、P8、ダイヤモンド社

→非営利であることの意義を理解し、組織側も参加する側も、社会のバランスを保つために巧みにそのサービスを利用する、そんな文化が美しいのだろう。NPO的考え方はトレンドでもなく、資本主義社会と表裏一体のバランス感覚。

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2004 年 6 月 15 日
LETTER [啓蒙する名言]
CSRとは市民活動である
CSRが地に足の着いた取り組みとなるためには、社会そのものも成熟していかなければならない。その意味で、CSRとは、表面上、企業の果たすべき責任だけを問題としているようであるが、実は、企業がリーダーシップをとりながらも、周りの人々や地域がともに参画し成長する、つまり、社会全体を変えていく、というダイナミックな市民運動なのである。
CSR 企業の社会的責任 - 事例による企業活動最前線』、P48、日本規格協会

→CSRという歴史的に必然なトレンドが企業の主体による市民活動であるならば、企業とNPO、そしてそれに関わる主体としての市民、あらゆる社会のステークホルダーが「もっと素敵なお金のつかいみち」に気づき、ネクストレベルの価値観が根付いてゆくだろう。今は、「責任」の語感が進化している過渡期。

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2004 年 6 月 9 日
LETTER [啓蒙する名言]
安価でアノニマスなものから発想する - サム・ヘクト
実は5ポンド以下で買える優れもの、ヘンテコなものを世界中から集めている。安価でアノニマスなデザインの中には、作為性のない美しさや、単純ながら優れた機能を持つもの、そして地域性や文化性を反映したユニークなものが見つかるからね。
サム・ヘクト、pen、2004 6/15、P72

→深澤直人さんのデザイン・パートナーも努めていた元IDEOのデザイナー、サム・ヘクト。柳宗理もアノニマスに無限の機能美を見いだしましたが、無作為の美に気づく豊かな感性を、伸ばしていきたいですね。

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2004 年 6 月 7 日
LETTER [啓蒙する名言]
世界につながる広告 - 岡康道
人間をよくよく見るということが仕事をする上で大切にしていることです。人間をよく見ることからこの商品を逆に照らしてみる、ということを考えて広告を作るようにしています。(…)それが出来れば世界にもつながっていけると思うんです。そこにしか扉はないと思う。アートだったらもう少しいろいろなものがあるかもしれないけど、広告においては人間への洞察が一番だと思います。
TUGBOAT 岡康道、+81、Vol.24、P47、河出書房新社

→深澤直人さんやトム・ケリーも強調する「人を観察する」ことの大切さ。その説明において、世界に誇るクリエイティブエージェンシーTUGBOATの岡さんだから発せられる、「世界につながる」というレトリックが、とても好き。

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2004 年 6 月 4 日
LETTER [啓蒙する名言]
東京の噂力

どんなに素晴らしい店がオープンしようと、どんなに凄腕のシェフが入魂の料理を供そうと、誰かがそれを噂にしなければ、今の東京では認められたことにならない。○○らしいよ、という囁きは、時として目の前の現実よりも甘く響きます。そして、予想以上に遠くまで運ばれていくのです。この『噂力』でこの街は、世界中から注目される場所になりました。
BRUTUS、2004/5/1、P29、マガジンハウス

→東京っていまどうなの?って聞かれても、東京ってどうもつかみづらくて説明できない。とにかく大きな生活圏、各々駅がそれぞれの色をなし、行く先々で何かが起こりうるハプニングベースの街、東京。だから「噂力」という定義はしっくりきた。そして僕は単に噂の持つダイナミズムが、人間的で好きなだけなんたと。

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2004 年 6 月 2 日
LETTER [啓蒙する名言]
語感をみがく
ことばは、それがさす意味を伝えるとともに、そういう言葉で伝えようとしている人間をも伝える。どんな表現をとるか、そこに趣味や性格や態度や教養や言語感覚や、その他もろもろの人のあり方が映るかもしれない。考えると恐ろしいことだ。日頃から語感をみがき、一瞬一瞬、透明な心で対象に向かうほかはない。
中村明『センスある日本語表現のために - 語感とは何か』、P215、中公新書

→言い回しを少し変えるだけで、物事がすーっと前に進んだり、ことば一つ足りないだけで間が悪くなったりする。そういう語感のセンスを身につけたいですね。言葉のTPO。

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2004 年 5 月 27 日
LETTER [啓蒙する名言]
新しい言語を探す - マルセル・ワンダース

僕自身の活動では、いつも新しい言語を探している、とでもいえばいいのかな?この品はこれ用、あの品はあれ用っていう定義を越えたところに、意外な面白さが見つかるのが面白くて。
マルセル・ワンダース、Esquire、vol.18 No.7、P56、Esquire magazine

→ショーペンハウアーによる「笑い」の難解な定義を持ち出すまでもなく、ワンダースのプロダクトように「意外な面白さ」をさらりと自然体で、見つけていきたいですね。それこそクリエイティブなワーク。

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2004 年 5 月 26 日
LETTER [啓蒙する名言]
ウェブの今後 - 中村勇吾

依然としてウェブは技術面から語られることが多いのですが、技術の面白さがなくなった時に何が残るのだろうか、と。その時は確実に来るわけですから。今も、全く新しい事が実現するような技術が創り出されるというわけではなく、今までできたことをより簡単にできる技術というのがメインになってますよね。なので、その時が訪れて、『テクノロジーだけだったね』と終わらないものを創りたいと感じています。けれど、コミュニケーションの楽しさは変わらないし、それをどう料理していくか、まだまだ無限のバリエーションがあると思います。
中村勇吾、+81、vol.24、P21、河出書房新社

→技術の面白さがなくなった時。そんな時が来ることすら思いも及びませんでした。自分はウェブは今後どうなっていくと思うから、今はこれをしている。それを堂々と説明できるくらいは少なくとも。

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2004 年 5 月 25 日
LETTER [啓蒙する名言]
甚深秘蔵とは、仏の隠す有るには非ず - 空海
いはゆる甚深秘蔵とは、衆生、自らこれを秘すのみ、仏の隠す有るには非ず。

訳)真言密教の教説は深くて、凡夫には容易に理解しがたい。しかし、それが理解しがたいのは、凡夫が妄想にとらわれているためであって、仏そのものが隠そうとしているわけではない。

空海の思想について』梅原猛、P100、講談社学術文庫

→密教は世界を肯定する。自分自身の中に宿る宝に気付けという教え。この考えは時を経て、「エネルギーは変わらず、ノウハウという富は増えるだけなのだ。」というバックミンスター・フラーに通じてますね。平安時代と現代の知識の巨人から学ぶ。

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2004 年 5 月 24 日
LETTER [啓蒙する名言]
ストリートアートと都市の文脈
If the work was taken out of its urban context, placed on canvas, given a hefty price tag and hung up in a gallery, it’s likely those same people that viewed it as vandalism would see it as art. Although to take the work out of its urban context means the work nearly always loses something in transition, part of the creativity is how it integrates within the environment, the chosen spot which gives it the finishing touch…

拙訳)あるストリートアートの作品が都市の文脈から切り出され、キャンバスに描かれ、法外な値段が付いてギャラリーで吊されているなら、ストリートアートをヴァンダリズム(破壊活動)にすぎないと思っている人たちも、その作品をアートだと見なすのだろう。ただし、その作品が都市の文脈から切り出されるということは、その過程で何かを失うことを意味する。なぜならば、最後に手を加えたその選ばれた場所、その環境にどう溶け込んでいるかこそクリエイティビティの一面だからだ。

THE ART OF REBELLION、P6、GINGKO PRESS

→金額ではない本質的な価値は文脈によって生まれる。時間のコンテクスト、場所のコンテクスト、組織のコンテクスト、あらゆるコンテクストにとって、美しいストーリーがあるものを意識したいですね。

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2004 年 5 月 19 日
LETTER [啓蒙する名言]
より早く飽きる - トム・フォード

いろいろなことについて他の人々が飽きるよりも早く飽きることが必要なのです。

トム・フォード、BRUTUS、2004/6/1、P36、マガジンハウス

→早く飽きて、次のさらなる高みのステップへ。このサバサバ感はとても好感を感じます。これにサスティナビリティを意識したスキーム作りができるから(あるいはできるスタッフをコーディネートできてるから)トム・フォードはトム・フォードたる所以なんだろうな。最近それにばっかり固執してないか?自問自問。

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2004 年 5 月 13 日
LETTER [啓蒙する名言]
生きのびるためのデザイン - ヴィクター・パパネック
デザインは、人間の本当の欲求にこたえるような道具となるものでなければならない。それは、革新的で高度に創造的な、そしてもろもろの分野を貫いたものとなるのでなければならない。それは、いっそう強く研究をめざすものでなければならない。おしてわれわれは、デザインのまずい品物や構造物で地球そのものを汚すのをやめなければならない。

ヴィクター・パパネック『生きのびるためのデザイン』、p10、晶文社

→初版1974年という、とても先見の明っぷりなパパネックの本から。デザイナーにとって一番大切なのは、もろもろの分野を貫いた(CROSS-DISCIPLINARY)バランス感覚だと僕は信じます。だから何でも勉強になるのだろう。

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2004 年 4 月 27 日
LETTER [啓蒙する名言]
フラクタル的発想
これまでも、形への飽くなきこだわりは無意識にフラクタルを求めてきた。フラクタルの全容が解明されつつある現在、デザイナーや建築家はフラクタルを自分自身の
発想のイメージの中に消化した上で、デザインし、設計することが必要であろう。そして、日常生活にフラクタルの概念を付加することによって、私たちは形を見る目を養い、豊かな造形の発想へつなげるべきだ。つまり、逆転の発想ともいうべきフラクタル的発想によって新しい視覚世界を創造していくのである。

三井秀樹『フラクタル造形』、p191、鹿島出版会

→アースデイのフリマで見つけたフラクタルの本から。フラクタルってこんなに自然にも溶け込んでいるとは知らなかった。日常生活にフラクタルの概念を付加することで、カタチの面白さ、奥深さが見えてくる気がします。

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2004 年 4 月 21 日
LETTER [啓蒙する名言]
ワークプレイスの『ライフプレイス』化 - 紺野登
一般的傾向として、人々はますます家庭で仕事をするようになり、他方でオフィスでは個人的な問題にかかわるようになる。会社で私事をこなすという意味ではない。顧客など外部とのコミュニケーションに時間を費やしたり、都市内や自宅での作業の連携をサポートするハブ的業務支援をオフィス側がするようになる、ということである。ワークプレイスの『ライフプレイス』化の重要性が急速に高まりつつある。それは、オフィスが広場的意味を持つということであり、オフィスに来ないとあるいはアクセスしてないと知が高まらない、ということでもある。
紺野登創造経営の戦略』、p194、ちくま書房

→会社へのアクセスにメリットを感じるオフィス。インハウスであることの意義は『ライフプレイス』としてのオフィスの価値に集約されていくだろう。

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2004 年 4 月 20 日
LETTER [啓蒙する名言]
芸術の出発点 - 岡本太郎
自由であろうと決心したうえは、たとえ現在、自由にかけなくたって、それで
もかまわない、というほどの自由感で、やってみなければなりません。これはひじょうに大事なポイントですから、よくこころにとめてください。(…)まずいと思いながら、フッと気がついてみると、今までの自分の知らなかった、なにかひじょうに透明な気分が、そこに定着されているのに気がつくことがあります。これが、芸術の出発点です。
岡本太郎今日の芸術~時代を創造するものは誰か』、p169、知恵の森文庫

→自由とは自分が無心であること、枠にとらわれないこと。必ず大きな流れと違うことに戸惑いを感じるけど、そこから創造性や独創性がうまれてくるんだ。それにしても「透明な気分」という表現は素敵です。

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2004 年 4 月 14 日
LETTER [啓蒙する名言]
文字そのものをストレートに味わう - 祖父恵慎
細部に注目するような見方を、いったん忘れて、文字そのものをストレートに味わえるようになると、もっと楽しくなってくるんですよ。『図々しい!』とか『弱々しい奴だなぁ』とか『あら、おすまししてるわね』とか。やっぱり人柄が重要。『この文字のこういうところちょっと苦手なんだけど、でもいいヤツなんだよなあ』とか、広い心で接してあげないと。(…)良いところと悪いところ、両方をまんべんなく味わうのがいいんですよ。

祖父恵慎、デザインの現場、2004/4、p16

→文字と語り合うタイポグラフィ。ストレートに味わう感受性でなされたデザインは生き生きと語りだす要因なのだろうな。

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2004 年 4 月 6 日
LETTER [啓蒙する名言]
サラとコレット

私はずっとコレットをやっていきたい。なぜなら、私にとって興味のある活動は、すべて、コレットで実現できるから。
サラ/colette ディレクター&バイヤー、pen、2003/8、p55

→僕はずっと、これをやっていきたい。なぜなら、僕にとって興味のあることは、すべて、これで実現できるから。自分の仕事をつくるってそういうことですよね。
colette : http://www.colette.fr/

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2004 年 4 月 2 日
LETTER [啓蒙する名言]
アートと知識の関係 - 紺野登
地域共同体や社会におけるアートは高質なナレッジワーカーを惹きつけ、かつ、アートに職業として携わる人々は自ずとアントレプレナー的な性格を有して周囲を刺
激することとなる。それが、ひいては、日本の打ち出すモノづくりやそのエッセンスである知識資産の質を高め、構造的な優位性を確立することにつながるだろう。それはとりもなおさず、顧客・社会の価値や価値観の変化に対応するものとなる。
紺野登創造経営の戦略 - 知識イノベーションとデザイン』、p68、ちくま新書

→「アート」の定義は人それぞれですが、最近その言葉がコモディティ化・陳腐化することなく、高い次元で一般化し、応用されてきているように感じます。何かいろんなジャンルのいろんな問題がありますが、それに対する解答は「アートとその副次的ポテンシャル」って気がしてます。つまるところ「それってアートだよね」っていえるかどうか。

Posted by YOSH


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