ブラー、ブラー, 萃点 //
デザイン+生物多様性=バイオミミクリ !!!

さてここで、アンケートです。次の中で、当てはまるものをチェックして下さい。

□ 危険を愛している
□ 死に物狂いで攻撃に走りたい
□ スピードこそ、世界を美しくする
□ 戦争こそ我らの健康法だ
□ ゴテゴテのマフラーからすさまじい爆音をあげ、機関銃のように疾走する自動車は、どんな美術品より美しい

3つ以上あてはまるあなたは、未来派野郎です。

これはちょうど100年前に発表された、イタリアの詩人マリネッティによる「未来派宣言」の抜粋だ。モリスのアーツ&クラフツ運動からグロピウスのバウハウスにつながる、初期モダニズムの過渡期のアンビバレンス(両面性)を、いかにも象徴していて悩ましい。

労働者階級の解放のツールだった僕たちのデザイン運動は、固定観念を強烈に翻弄して政治に飛び火し、ロシアやドイツで革命さえ引き起こした。そのとき追及された”平等”の精神は、今でも西洋的なデザイン教育の正統として継承されている。

一方、内に秘めていた破壊的な美学は、やっと解放された庶民の消費活動を加速した。20世紀的価値観は未来派宣言そのままに、森を狩り、海を埋め立て、取り返しのつかないところまで地球を破壊してしまったのだ。もうすぐ『百年の愚行』のツケがやってくる。今を生きる表現者たちが取り組むべきは、危険ではなく自然を愛し、いのちの多様性を祝祭するような新たな未来派宣言なのである。

じゃ、どうすればいいの?その糸口はまさに自然の中にある。デザイン+生物多様性=「バイオミミクリ」という手法が、デザイン業界でも注目され始めているのだ。デザイナーよ、書を捨てて森へ出よう!

greenz.jpでも以前取り上げたバイオミミクリは、「バイオ(=生命)」と「ミミック(=真似る)」の造語で、生物の生体機能を活かしたプロダクトおよびサービスのデザイン手法のことを言う。わかりやすく言えば、デザイナーと生物学者のコラボレーションだ。あのIDEOも注目しており、既にナイキやP&G、ハーマン・ミラーなど様々な製品に応用されている。

身近な事例は既にたくさんある。例えばマジックテープは、犬の体にくっ付いたオナモミの実がインスピレーションとなった。空気抵抗を抑えるように設計された我が国の新幹線も、ネタ元はエサを採るために高速で水中に飛び込むカワセミのくちばしだ。本棚にはない豊富なアイデアソースが、意外なところに隠されているのである。

バイオミミクリの母とも呼ばれる生物学者、ジャナン・ベニュス氏はこう言っている。

「自然は38億年もの時間をかけてR&Dを繰り返してきました。エネルギーが効率的なのも、毒性物質を使わないのも自然界では当然です。自然は何が機能して、何が持続するのかということをよく知っているんですね。私たちはその叡智を翻訳して、いのちや地球に最適化されたサステナブルな解決策を導き出します。バイオミミクリは21世紀に必要なデザインプロセスなのです。」

困ったときは、自然に聞いてみよう。そこで彼女はAskNatureというデータベースを立ち上げた。冷暖房なしで室内温度を保つにはシロアリの巣を見に行こう。高効率のディスプレイを開発するなら、蝶の羽根を観察してみよう。まるで森で遊んでいるような心躍るヒントが、クリエイティブコモンズで共有され、世界中のデザイナーを魅惑している。

自然界を搾取した時代から、自然界から学ぶ時代へ。未来派宣言には、メンターとしての自然という視点で、ちゃんと赤入れしておこう。

最後にこちらのアンケートにご協力ください。

□ 自然を愛している
□ 楽しみながらいのちを守りたい
□ サステナビリティこそ、世界を美しくする
□ 平和こそ我らの健康法だ
□ 自然に学んだデザインは、機関銃のように疾走する自動車より美しい

3つ以上あてはまるあなた、21世紀へようこそ!

(初出:Tokyo Design Flow no.16)

2009年11月9日 | Posted by YOSH


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萃点 //
政治参加2.0 デモクラティズムからデモクラシーへ

政治が身近に感じられるようになったのは、美学者・今道友信氏の『エコエティカ』に触れたときだった。

エコエティカとは、宇宙からナノレベルまで人類の生息圏の規模で倫理を問い、新しい“徳目の創造”を試みる学問だ。徳目とは「“よし”とされるもののこと」のこと。今までの倫理が人間中心主義なのだとしたら、自然環境を視野に入れて倫理をアップデートする必要がある、と今道氏は主張する。(新しい徳目のひとつに「気分転換」がある、というハッピーな記述も掘り下げたいがまた後日)

その本にはこうあった。「本当の意味でのデモクラシー(民主政治)をすすめていくためには、デモクラティズム(民主主義)を排して行かなくてはならない」これは目からウロコだった。

慣例、デモクラシーの訳語には民主主義が充てられている。しかし何かを押しつけようとする衝動=イズムは、本来デモクラシーには含まれていないのだ。エコエティカの世界では、人格の平等を尊重しながら、能力の不平等を肯定する。ユニバーサルの名のもとに何かを排除するような、カンペキな答えなど存在しない。そもそも世界の成り立ちが多様なのだから、政治参加の方法もいろいろあっていい。それで僕はほっとした。

そもそも政治への参加は現代のデモクラシーの基本原則のひとつだ。正確に言えば参加しないことは出来ない。例えばグリーンズで以前、Mosstikaという苔でグラフィティを展開するクルーを紹介した。彼らはまさに合法と非合法の間をサーフィンするクリエイティブな連中だ。ただ彼らのように英雄的に自分の美学を貫いても、ケーサツ的権力に目を付けられる可能性もあるだろう。それでもギリギリのラインこそ創造なのだとしたら、我々はその線引きを知らなくてはいけない。

立法の後押しがあって、実現できることがたくさんある。そのためには、議会に仲間を送り込む必要があるのだ。そう、It’s Party(政党)。みんな好きでしょ? その言葉。

僕にとって、初めて仲間の中から議員が出たのが、薬害エイズ訴訟の原告団で知られる川田龍平さんだった。2007年秋、とあるクリエイティブディレクターが、毎週のように国会質問の原稿作成を手伝っていた。テーマは青森県六ヶ所村の再処理工場問題。聞いてみると9万2387人もの署名を持って、参議院の環境委員会で、当時の鴨下環境大臣に対し放射能による海洋汚染について質問するという。このことはどんな意味があったのだろう?

まず、仲間の声が国の公の議事録に載ったと言うことは大きい。公文書という圧倒的なクレディビリティを僕たちは獲得したのだ。それが実現できたのも、「国会議員の質問には、必ず答弁しなければならない」と言う義務があるから。これも恥ずかしながら、川田さんが当選して初めて知ったことだ。そして忘れてはいけないのは、9万もの署名が環境委員会の扉を開いたということ。確かに時に、数がモノをいう。

多くの賛同を得るには、空気をつくることが大切。そしてそこにソーシャルメディアの価値が出てくる。多様性を前提とするデモクラシーだからこそ、よりパーソナルな動機付けが問われるからだ。twibbon(twitterのアイコンを装飾するリボン)やオンライン署名のような、誰でも簡単にできるアクティビスムはスラクティヴィズム(slacker <怠け者>との造語)とも呼ばれ、なんちゃってアクティビストを増やしているという突っ込みもあるが、どんな方法であれ参加の敷居が低いのは歓迎すべきだと思う。

とにかく政治参加は決して重たいことじゃないし、正義感ぶるようなことでもない。何かを思って選挙に行ったのなら、その思いをどう実現するか、ネクストアクションが肝心だ。「CHANGE!!」と世界同時多発的に気分転換したがっている今こそ、デモクラシーをアップデートする絶好の好機なのである。仲間は増えてるよ。Don’t miss it !!

(初出:Tokyo Design Flow no.15)

2009年10月20日 | Posted by YOSH


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萃点 //
今も上関で大揉め中。「原子力はやっぱりよくない」と思う理由を考えてみた

NHKスペシャル「原発解体~世界の現場は警告する~」が2009年10月11日に放映された。下記のような内容で、かつての中途半端な将来予測、今後将来世代にのしかかるコストを浮き彫りにする、なかなか骨太な内容だった。

いま地球温暖化対策などで、原子力発電が注目され、世界で100基の導入の準備が進んでいる。その陰で120基が寿命を迎え、相次いで解体されている事実は知られていない。今回NHKは、知られざる原発解体の現場に初めて密着。そこでは放射線という目に見えない壁、そして解体で出る廃棄物の処分場所が決まっていない現実が見えてきた。この難しい問題に私たちはどう向き合うのか? 世界の解体現場から報告する。

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2009年10月12日 | Posted by YOSH


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