【Blog Action Day 2009】ホントにあるR水素コミュニティ!デンマークのロラン島からナパのワイナリーまで
R水素とは、原子力や化石燃料を使わず、自然エネルギーを使って水からつくった水素のこと。”R”はリニューアブル(再生可能)の略称で、正式名(?)は“renewable hydrogen”と言います。
「今さら聞けない”R水素”入門編!」として記事を書いたけど、greenz.jpとしても世界を変える切り札としてR水素に注目し、R水素ネットワークというNPOを立ち上げて活動を行ってます。(フルタイムの事務局スタッフも募集中!)
とはいえ、「いきなり水素って何?」って人がほとんどだし、「R水素なんて未来でしょ」と突っ込まれることも少なくない。そこでBlog Action Dayの今日は、R水素の最新実例を3つほど紹介したいと思います。
ロラン島(デンマーク)

デンマークのロラン島がとにかくすごすぎる!
ロラン島在住のジャーナリスト、ニールセン北村朋子さんの記事によれば、再生可能エネルギーの比率が50%、グリーンな雇用で失業率が20%から4%に低下、次世代バイオマスとしての藻エネルギーを研究、そしてヨーロッパ初のR水素コミュニティ誕生などなど、旬なキーワードがてんこ盛り!今一番訪ねたいフィールドとして、憧れている(と同時にきっと呼ばれている!)場所です。
Hydrogen Community Lollandは有り余る風力を貯蔵する目的として水素に注目しています。既にデンマークの重要な環境プロジェクトに認定され、女王様が直々にお訪ねになられるなど国内外から大注目。エネルギー系のベンチャー企業Baltic Sea Solutions社(BASS、バルティック・シー・ソリューションズ)のリリースによれば、ロシアやチェコ、エジプトなどから政府レベルでの視察が行われているようです。
最新トピックはこのノウハウを持って、グリーンランドでも水力を活用したR水素プロジェクト”H2KT”をスタートしたこと!ロラン島の成果が、次々と広がっていくのが楽しみですね。
ハワイ島(アメリカ、ハワイ州)

みんな大好き、ハワイも負けてません!
去年Think the Earthの地球レポートにも書きましたが、R水素ネットワークが今あれこれ画策しているのがNELHAがあるハワイ島です。火山の豊富な地熱を活用して、水素ハイウェイ構想なんかもR水素な政治家(実際にいるんですよ!)を巻き込んで具現化しようとしています。
そしてハワイといえば、サンサンと輝く太陽!こちらの記事によれば、ハワイのハイテク企業HTDC社が、ソーラーパネルでつくった電気で水素をつくり、クルマの燃料としての活用を検討しているとのことです。ガソリン価格の高騰が問題となっているハワイでは、常識的には高いとされている水素も、十分に価格競争力があるのでしょうね。
ビッグアイランド=地熱、マウイ=風力など島々のポテンシャルを生かして進むハワイのR水素社会。オアフ島からハワイ島まで、水素飛行船が飛ぶ?なんて話もあるようですが、定番の観光地からグリーンイノベーションの最先端事例へ、ますます目が離せません!
ナパ(アメリカ、カリフォルニア州)

そして最後はワインの産地として有名なナパバレー!
Twitter界隈で続々とRTされまくっているのが、「Renewable Hydrogen Production Becomes Reality At Winery(ワイナリーで水素製造が現実に!)」という記事です。こちらはNapa Winery Company社の取り組みで、製造過程で出た排水をバクテリアで分解し、有機物から水素を取り出すというもの。農業とR水素の可能性も広がる、まったく新しいアプローチとして期待大!
そして何よりワイナリーという目の付け所もよいですね。再生可能エネルギー視察+ツーリズムのモデルは、大きなトレンドになる予感がします。
(拙訳)ワイナリーは、自然派のツーリストにとって魅力的な場所です。ワインの製造過程を見学し、ワインを堪能しながら、新しいエネルギーのことも学べるのですから。
実はハウイもナパも、ここ1ヶ月のニュースなんですよね。R水素という基本的なコンセプトが、同時多発的に加速しているように感じてます。R水素ネットワークは今後もリサーチを続け、ホントにあるR水素をどんどん紹介してゆきますので、何卒お楽しみに!
年平均33兆ドル(3000兆円) -自然資本から生じる生態系サービスの経済的価値
ポール・ホーケン『自然資本の経済』で知った数字。
来年は名古屋でCOP10が開催。生物多様性日本アワードなど、生物多様性がバズワードになっている。指標化することの是非、その理論的根拠は要検討だが、少なくとも私たちが受けている恩恵がタダでは決してないという自覚こそ、21世紀のビジネスの基本であってほしい。
自然資本(しぜんしほん、英語:natural capital)とは、経済学の資本(生産の原資・手段)の概念を自然に対して拡張したものであり、生態系サービスや鉱物資源(鉱石)・化石燃料の供給源である。機能的な定義をすると「未来にわたって価値のある商品やサービスのフローを生み出すストック」としての自然である。具体的には、山・森林・海・川・大気・土壌など自然を形成する要素や生態系を構成する生物を含み、広義の生物圏すべてを自然資本とみなすことができる。自然資本から生じる生態系サービスの経済的価値は、アメリカドルで年平均33兆ドルと見積もられている[6]。
[6]Costanza R. et al. (1997). “The value of the world’s ecosystem services and natural capital”. Nature.

WORLD SHIFT 2009 – エコロジーからコスモロジーへ
2009年という一年
ガリレオが「望遠鏡というもの」をつくって、地球から宇宙を眺めたのが1609年。それから400年を経た今年は世界天文年として様々なイベントが行われる。それに合わせて1月16日から公開される『ザ・ムーン』の試写をgreenz.jpのメンバーで見た後、エコスゴいならぬコスモスゴい言葉をみんなで連発した六本木シシリアでの知的興奮は去年のハイライト。折しも日本で46年ぶりの皆既日食も重なり、宇宙意識にフォーカスが当たる一年と言えるだろう。
そして2009年は、危険を愛し、美術品よりも自動車を賛美し、戦争を肯定した未来派宣言からちょうど100年でもある。機械に希望を託さざるを得ず、1910〜20年代の夢のようなモダニズムを触発した歴史的な功績は計り知れないが、成長の限界を露呈した20世紀的な価値観を根底で提起したことも紛れもない事実だ。サステナビリティというひとつの答えが見つかった21世紀の今だからこそ、旧未来派宣言もアップデートが必要である。とにかく、そんな何だかソワソワして止まない2009年が幕を開けた。
WORLD SHIFT宣言?
宇宙飛行士のラッセル・シュワイカートの広島訪問やダライラマの伊勢神宮参拝などを収めた龍村仁監督『ガイアシンフォニー第五番』で、”惑星意識”をキーワードとして語っていたのがアーヴィン・ラズロ博士である。ダライラマやゴルバチョフなどがメンバーである「世界賢人会議」と呼ばれるブダペストクラブの創始者であり、毎年のようにノーベル平和賞の候補として挙げられる人物だ。
昨秋は、2012年頃のカオスポイントに向けて、人類にとっての宇宙的使命を説いた『CosMos』を刊行し、丸の内地球環境倶楽部のキックオフイベントのために来日している。既に東京の中心丸の内においても、スピリチュアリティを基盤とした宇宙論的エコロジーの話が共有されたのが去年のことだ。その博士が今年重要なコンセプトとして掲げているのがWORLD SHIFTというマニフェストである。
谷崎テトラさんのブログによれば、世界の賢人たちによる経済・環境・芸術の分野ではじまる意識変革のムーブメント。善の衝動にかられ、ワールドをシフトしたい世界中の意思のためのニュートラルなプラットフォームとして、その期待感は大きい。
エコロジーからコスモロジーへ
振り返れば初めて宇宙から青い地球を見るという転換の視点を獲得した60年代後半、スチュアート・ブランドのWhole Earth Catalogやすっかり根付いたアースデイに代表されるように、「地球の出」のようなたった一枚のビジュアルイメージが地球意識を呼び起こした。バックミンスター・フラーやジェームズ・ラブロックが活躍した60〜70年代の財産が、地球市民としてのエコロジームーヴメントである。
それから数十年、宇宙探査やインターネットは言うに及ばず、膨大なデータを計算して地球の動きの予測を可能にした地球シミュレータが登場するなど、テクノロジーやインフラはアップデートしている。そして人間のとめどない知識の渇望は、いよいよCERNという新しい次元空間に踏み込む舞台装置を生み出した。加速器による素粒子実験の先に、どんな発見があるのかはまだわからない。ただ、そこから派生する一連の出来事の帰結は、宇宙市民としてのコスモロジームーヴメントを呼び起こすような予感がしている。少なくとも、新しい時代には新しい徳目が必要とされているということだけは言えるだろう。
持続可能性をベースとしたグリーンエコノミーの創出も、水素をベースとしたエネルギーの民主化への動きも、greenz.jpを通じて実現したいことは、その大きな流れの上にある。さまざまに難しく、悩ましい時期だからこそ、晴れて2010年を迎えられるように。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
