いま欧米では、“エシカル(Ethical)”という言葉が、雑誌などで日常的に使われている。日本語に直訳すると、「倫理的」ということになるけれど、それほど肩肘張った印象ではない。
Ethical Shoppingといえば、環境に配慮したエコロジカルな商品、あるいは公平な貿易が行われているフェアトレードの商品などを積極的に選択する態度のことを言う。他にも、Ethical Jobsという求人サイトもあるし、TreeHuggerでは「2007年の主要なトピックはEthical Designだろう」と宣言していた。
では、デザインにおいて“エシカル(Ethical)”とは何だろうか。平たく言えば、“ちょっと考えてみること”かもしれない。
あらゆる物事には、できあがるまでにいいも悪いもいろんな事情があって、その本質が見えづらくなってきた。だからこそ何かをデザインするときに、マテリアルやテクノロジー、メディアをどう選択するのかが、ますます重要になってきている。そうしたデザイナーの裁量が問われる多くの事柄について、さまざまな影響を知り、想像をふくらませることが、今求められているのではないだろうか。地球に優しいデザインだって、結局は一つひとつの判断の積み重ねなのである。
ここでは、デザイナーに浸透しつつある「エシカルな創造性」を取り上げ、デザイナーの倫理的な価値観についてのリサーチを行っていく。

