レストランを語るときに、「デザイン」という言葉が使われることはめずらしくなくなった。いまや「フード・デザイン」は東京では聞きなれた言葉だし、事実、有名シェフやデザイナーがコラボした店もたくさんオープンしている。スタイリッシュだし、ちょっとバブルの香りもする。食いしんぼうでオシャレなTOKYOが好きそうな言葉だ。
そもそもフード・デザインとは何だろう。美しくデコラティブな料理?食を使ったコンセプチュアル・アート?「食」のある空間をデザインするという意味では、食べやすいカトラリー、美しい店内、きびきびと立ち回るウェイターもデザインの一部だろう。食材が皿に登るまでの流通経路のデザインもフード・デザインと捉える人もいるかもしれない。
私たちの考える「フード・デザイナー(=フード・デザインを生み出す人)」とは、「人生」と「食事」、つまり人間と食の関係について深く深く考え、自分なりの形を生み出している人たちである。シェフやコック、アーティストやデザイナー、もしくは農家の人も当てはまるかもしれない。ここではそんな彼らの話を聞き、「食」と「デザイン」の新しい関係について、探っていく。

