周りの仲間のアートブック、大学のエキシビジョンのプログラムなど、決して名のあるクライアントではないかもしれない。だが、彼らのつくる本はどれも抜けたように美しいのだ。社会問題をテーマとしたラディカルな自費出版本は、アワードまで受賞している。
デザインという自分たちの職能への確たる意思を感じたこと、それが彼らにコンタクトした理由である。
ブッシュの政策を告発する「Blind Eye」
詩を詠み、魚を描くアーティストの作品集「WayShapeForm」は学生の頃から続くふたりのライフワークだ。これ以上なくユニバーサルな言葉をつなげたときの印象的な響き。その名前の由来を尋ねると、リバーはこう言った。

デザイナーとしての方法や形へのこだわり。
ブッシュが再選したときに「カナダへの移住も本気で考えた」という彼らが出版したのは、『OPT OUT(抜け出そう)』というビジュアルブックだった。アメリカに暮らすからからこそ、アメリカのあり方についての正直な意見を自ら綴った、速攻のエディトリアルデザイン。
はじめは身の回りだけで配っていたものがいつしか広まって、PDFでもダウンロードできるようにした。結果、共感した見ず知らずの人からも反響がくるようになったという。つくりあげたカタチ=デザインが、実際に人をつなげたのだ。

「そうかもね。でも、『デザイナーがAuthorになる』ことも大切だと思う。それは、私たちのデザインフィロソフィでもあるわ。」
リバーが今コンタクトをとっているのは、米軍が高校でリクルートを行っていることに反対し、多くの若者を入隊ではない将来(学問、就職など)へ導こうとするローカルな活動「HOPE(High school and college Outreach Peace Education)」だ。WayShapeFormによる行動を起こすデザインは、今なお継続中である。
(初出:WebDesigning 2007年6月号)

